第31回 市民公開セミナーを開催しました
平成29年9月29日(金)、東住吉区民センター(大阪市東住吉区東田辺1-13-4)におきまして、第31回市民公開セミナー(主催:公益社団法人大阪介護老人保健施設協会)を開催しました。『介護老人保健施設の役割とは~認知症を正しく知って地域で支えましょう~』をテーマに開催いたしましたが、セミナーにご参加された方々が100名を超える多数の参加者であったことからも、皆様の認知症に対する関心の高さを実感しました。また、地域の皆様に介護老人保健施設の役割と特別養護老人ホームや有料老人ホームとの違い等も知っていただくことができたと思います。認知症を正しくご理解いただき、地域で支えることができるよう願って、今回は4名の専門的な先生方にご講演をお願いしました。
【第一講演】では、当施設の施設長である山下隆史先生から、金さん・銀さんの話題を交えながら、認知症の原因となる疾患や記憶・判断力・問題解決能力等に対する様々な障害をもたらす中核症状や周辺症状のご説明に加え、「認知症の人と介護者の間に起こる悪循環」を避けるプロセスとそのからくり等のご講演がありました。また、介護老人保健施設で働いている専門職の紹介やその役割、介護老人保健施設の機能や上手な使い方、多職種連携が図られている施設であること等について、入所・短期入所・通所リハビリに分けて身近な事案を通じて分かりやすくご講演くださいました。
【第二講演】では、矢田地域包括支援センターのセンター長である時岡誠吾先生から、東住吉区における地区別の高齢者の現状と認知症の方々やそのご家族、ご支援されている方々等に対する地域包括支援センターの役割や活動内容を具体的にご説明くださいました。また、株式会社リビングアイの管理者の水島浩之先生からは、東住吉区内で活躍している東住吉区介護保険関係者連絡会の活動内容や来月開催される「東住吉区みんなの健康展」のご案内等を通じて、身近な所で様々な専門職が活動していることをご説明くださいました。なお、この「東住吉区みんなの健康展」には、当施設のリハビリテーション科も参加し、「見てふれてたのしく知ろう!予防と介護」をテーマに、東住吉区役所内において理学療法士・作業療法士がリハビリ体操を提供する予定です。〈平成29年10月7日(土)午後1時~午後3時30分開催〉お気軽にご参加ください。
【第三講演】では、認知症の専門的な見地より森ノ宮医療大学教授の横井賀津志先生から、物忘れについて、イラストを用いて「顔は分かるのに、名前が・・・出てこない」や、家族で団らんしている食卓で「あれ取って」「あれ?何?」といった日常的にも良くある事例に基づいて、認知症の方々に対する正しい知識や認知症を引き起こす様々な原因、その介入方法のコツ等についてご講演くださり、答えが分かったときに「あ!そうだ」と思えることや、「忘れているという自覚がある」ことが重要である等、認知症を予防する観点からも必要な知識を身につけることができました。
今回の市民公開セミナーを通じて、認知症の方が何を感じて日々の生活を過ごしているのか、何をどのように思っているのか。そのような相手のことを理解して、相手の立場に立ってどのように接すれば良いのか。これから地域で支えるためには何が必要なのか等、色々と考えなければならない課題があると感じたのではないでしょうか。